(テキスト版)
「アメとムチ」
人との関わり方の中で”アメとムチ”という言葉が使われることがある。これは「子ども」に対してもよく使われるが、私はあまり”いただけない”と思っている。というのも、これは明らかに大人主体の言葉だからだ。昔?はこういう方法も有効だったかも知れないが、今は「子ども」を”コントロール”する術として捉えられ、本来の「子ども」の姿を引き出し伸ばしていくことは難しく、あくまでもその場をしのぐ術でしか無い。しかし、まだまだこの術を良しとし、好んで使ったり、これを操れることが大人としては質が高いと感じている人が多いことも事実かと思う。しかし、是非その術を取った時の「子ども」の姿を見て欲しい。本当にその「子ども」らしい姿で大人が一切関わらずとも自分の力で歩んでいるだろうか。その「子ども」独自の想いをしっかりと主張して、前を向いて歩むことが出来ているだろうか。私は”アメとムチ”によって、その「子ども」が大人の都合良く、見栄えが良くなることはあっても、その「子ども」らしく逞しく育っていく姿には出会ったことがない。